soraishi-raizohの日記

シーキンセツ

ソライシタカオの手紙考察③

 

soraishi-raizoh.hatenablog.com

 3枚目の手紙です。

 

おとうちゃん へ
おとうちゃん げんき ですか
おとうちゃん しごと がんばってますか
このまえの おやすみに おとうちゃんが
かえって こなかったので さみしかったです
かあちゃんは そうでも なさそうで
おともだちと あそびに いってました
あと ぼくが ずっとずっと ほしかった
ぼうえんきょうが おくられて きました
おとうちゃんが おくってくれたんですよね
ありがとう ございます
ぼくは そらの ほしを みるのが すきです
そらの ほしを みるとき おとうちゃんも
おなじ ほしを みてるかなと かんがえます
こんど おうちに かえってきたら
ぼくと いっしょに ほしを みてください
ソライシ タカオ

 

さらに考察に入ります。

このまえの おやすみに おとうちゃんが
かえって こなかったので さみしかったです

このまえのおやすみに、とあるがこれは、ライゾウが本来予定されていた休みを指すのか、または世間一般でいう土日祝日を指すのか。おそらくタカオはライゾウの仕事の休みの日は知らないはずである。ライゾウが出稼ぎにシーキンセツに行く前に、タカオに休みがこの日にある(曜日や日にち)を伝えていた可能性はある。シーキンセツがブラックで休みもないなんて、出稼ぎに行く前はライゾウ本人も知らなかった可能性もある。 

カナズミからシーキンセツはかなりの距離があり、月1くらいは帰ってこられると思っていたのではないか。

かあちゃんは そうでも なさそうで
おともだちと あそびに いってました

この文章も気になる点がある。

まずはおともだちと出掛けているということだ。不倫の可能性は大だが、問題はそこではなく、本来ライゾウが帰ってくるであろう日に出掛けている点だ。つまり妻はライゾウが帰ってこないのを知っていた、もしくはシーキンセツに出稼ぎに行く、となった時点でライゾウ夫妻の間で、休みはなく、帰っては来られないとの話があったのではないか。タカオには知らせていないので、タカオはライゾウが帰ってくるといつまでも思っていた。(ある一定の額が稼げるまでの間?)むしろそこまでして稼がなければいけない理由はなんなのか。タカオの生活費などもあるだろうが…

あと ぼくが ずっとずっと ほしかった
ぼうえんきょうが おくられて きました
おとうちゃんが おくってくれたんですよね
ありがとう ございます

次にこれだ。

ライゾウから天体望遠鏡が送られてきたのだ。

タカオがずっとずっと欲しかったものだ。本来なら手渡したいはずだ。そのために働いたのだろうから。なぜなのか、これはもう家には帰れないでいるからだろう。

手紙から察するに、ライゾウはシーキンセツに出稼ぎに行ってから一度も帰れていない。後半の手紙でタカオと再会するのだが、シーキンセツに勤めている間は帰れていないはずだ。モデルとなっている軍艦島での実話だが、ここでも同じと考えている。

ぼくは そらの ほしを みるのが すきです
そらの ほしを みるとき おとうちゃんも
おなじ ほしを みてるかなと かんがえます
こんど おうちに かえってきたら
ぼくと いっしょに ほしを みてください

3枚目の手紙の締めの文です。

タカオが星を見る理由。このような家庭環境でも夢をかなえられたこと。

すべてがここに入っている。

おとうちゃん(ライゾウ)を思って星を見上げていた日々。

ただ単に、星が好き、というだけの理由だけで学者になれたのではないと思う。